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がばっと、勢いよく私は身を起こした。
不快な冷や汗が、じっとりと背中を濡らしている。
額から流れ落ちる汗を、腕でゆっくり拭い取った。
「夢か……」
それにしても、やけにリアリティのある夢だった。
私は何に追われていたのだろうか……。
訳がわからない。
しかし、夢は夢だ。
そう割り切り、私は着替えてからもう一度寝直すことにした。
汗だくになったシャツを脱ぎ、新しいTシャツに袖を通して横になり、目を閉じる。
カチコチと、時計の秒針が時を刻む音が響いている。
しんとした夜中の空気に響き渡る、時計の音。
カチコチ
カチコチ
カチコチ
カチコチ
ひたり
私の肩が、混じった異音に反応してびくりと震えた。
カチコチ
カチコチ
時計は相変わらず時を刻み続けている。
ひたり
異音を混じらせながら。
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