†森†

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思いきりうーんと伸びをしてから、息をついた。 清々しい朝だ。 ん? ……朝? 「ねえ、この国って夜あるの?」 ふと、この国で夕暮れや夜景を見たことない気がして振り返ると、相談していたらしい三人が一斉にくるっとこちらを見た。 「勿論、あるに決まってるよ! 昨夜もその前も、アリス疲れてぐっすり寝てたから暗くなったとこ見てないのかも」 帽子屋が無邪気に言い、レンゲがうんうんと頷いた。 「夜はあるわ。夕方はないけど」 「えっ、ないの?」 思わずぎょっとして尋ねると、帽子屋がきょとんと首を傾げた。 「アリス、知らないの?」 「知らないも何も、普通はあるものでしょ?」 それに応えるようにルリ君がすっと天を指差した。 「……太陽が、ないから」 言われて天を仰ぐと、快晴にも関わらずそこに太陽はなかった。 なんで太陽がないのに明るいのか、かなり疑問だ。
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