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迎えに来てもしゃんとしている母を見て、幼い私は思わずはしゃぐ。
ただなぜか家には帰らず、母は公園へとタクシーを走らせた。
そこには知らないおじさんがいて、母と親しげに話している。
一人で遊んでいるように言われたので、夜中のブランコなら一人占めだと喜んで遊具へ走った。
しばらく経った時、どこにも母の姿が見えないことに気付く。
「おかーさーん??」
あのおじさんもいない。
途端に怖くなってくる。真っ暗の中揺れるブランコの音。
「おかーさーん!!」
公園中を走り回って泣きじゃくりながら母を探した。
どれくらい経っただろうか、泣き疲れしゃがみ込んだまま恐怖で立てない。
後ろからとんとんと背中を叩かれ、
「おかーさん!?」
振り向いた先にはさっきのおじさんがいた。
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