誓い合う二人

10/11
1148人が本棚に入れています
本棚に追加
/601ページ
七生が柾斗達に付いたのは 「浅見様」 「…秋か」 秋が浅見に付いたから。 「どうした?」 「いえ。ただ近くまで来ましたので、ご挨拶をと思って訪ねて来た所存です」 「…それは本当か?」 「はい。もちろん」 「では… 私が貴様らの大切な駒と接触してしまった事は関係ないんだな?」 ピクッ 「………何の事でしょう?」 「ふん。相変わらずとぼけるんだな。 黒崎の分際で」 「…」 「あの子に何かしたかの確認で来たのだったら、取り越し苦労だったな。 これから本社に戻らなければいけないから、失礼するよ」 秋の横を通る時、 「私は手を下す事はしないよ。まぁ… 浅野はどうだか知らないがな」 と言って、通り過ぎた。 「………ふぅ」 どうやら、浅見様は言葉通り、 樋浦兄弟に何かする事はないみたいだ。 ―――今は。 遊園地を出た後、向かった先は 「うわ~、綺麗だね」 「あぁ」 電車に乗り、夜景が綺麗と評判のある高台にやって来た。 評判ある所だからか、カップルや家族連れで賑わっていた。 「観覧車から見るのとはまた違うね」 「そうだな。まぁ…見ている余裕はなかったからな」 「っ?!」 柾斗の言葉の意味に気付き、 先程の事を思い出して つい目を逸らしてしまった。
/601ページ

最初のコメントを投稿しよう!