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「ね?言ったっしょ?」
「本物……?」
「エリアって言いますー。宜しくお願いしまーす」
「んじゃ、俺行きますわ」
「ま、待ってくれ!」
運転手は焦った様子でロイを呼び止めた。
「ん?なに」
「こ、こんな高価なもの貰っちゃっていいのか!?」
「いいよいいよ、どうせただの召喚器だし。あ、奥さんの前では注意な?」
ニシシと、悪戯っぽく笑う。
「えーと……戻し方は?」
「もっかい擦るだけ」
その時、エリアは“戻す”という単語に敏感に反応し……
「えー!マスターもう戻すんですかー?」
エリアは不満の目を運転手に向けた。
「い、いや。しかしだな……」
「んじゃ、今度こそ行きますわ」
「ああ!ちょっと!?」
「マスター!無視しないでくださいよ~」
「ヒィイイイ!!」
ロイは背後から聞こえる悲痛の叫びをスルーしつつ、式場の中へと消えていった。
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