12月24日 お昼時

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言葉に詰まっていたことを考えると、彩夏から何か聞いていたのかもしれないが、ハルはあえて何も尋ねなかった。 持ち込む必要のない話だ。 しいて尋ねるとすれば、 「どうだった? 昨日のお泊まり」 「とても楽しかったですよ。みんなで銭湯にも行きましたし、 彩夏さんにお料理を教えてもらえましたし」 「ああ、あのくっさいのな。 結構うまかった」 「そ、そうですか…………ありがとうございます」 マーシャは明らかに動揺していた。 まさかハルが本当に食べるとは思ってなかったらしい。 彼女の中では、臭いを嗅いでごみ箱に向かうものだとばかり考えていた。 『それでマーシャ。 今日はどこで買い物するの?』 「そうですね…………やはり、いつものショッピングモールにしようかと」 「賛成。 この寒さで駅前の店をハシゴするのは堪える」 話がまとまったところで、タイミングよくバスがやってくる。 これに乗って十五分ほど揺られれば、件のショッピングモールに到着だ。 「もう昼は済ませちゃった?」 「ああ、いえ。 一度家に帰ろうと思っていたのですが、冬休み中のことで職員室に呼び出されてそのまま」 「よし、じゃあまずは昼飯だな」 《自分、さっき食べてたじゃん》 「あれは朝飯だ。 ちゃんと毎日三食食べるの」 幽霊が交じってはいるが、普通の会話。 彼らにとっての日常がそこにはあった。 一つ、彼らを監視する視線を除けば―――― ◇
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