12月24日 お昼時

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「けほっ、けほっ」 「はっはっはっ」 咽せるマーシャと爆笑するハル。 二人が選んだのは石窯で焼くピザが売りの、ちょっと洒落たレストランだった。 注文したのは四種のチーズを使った特性ピザ。 あとはマーシャがミートソースのパスタ、ハルがナスとモッツァレラチーズのトマトパスタを頼み、二人で分けながら遅めのランチを楽しんでいた。 途中、タバスコがどばっとピザに降り注いでしまったが、二人っきりの食事においてこういうアクシデントは悪くない。 会話が弾む。 ちなみにアルはシアターに直行した。 ちょうど見たかった映画をやってるそうな。 「ほら、それは俺がもらうから、そっちのあんまりタバスコかかってない方にしとけって」 「い、いえ、結構です。 私がこんなにしたんですから」 「中蓋がなかったんだ。 気にすんな、誰も悪くないって。 俺は辛いの大丈夫だし……んじゃ、もらうな」 「あっ…………ありがとうございます」 食べかけの真っ赤なピザを持っていくハル。 これくらい強引な方がいいというのが、長年彩夏やアルと暮らして彼が学んだ知恵の一つだった。 「そろそろデザート頼んどくか」 「でしたら、このティラミスはどうです? クラスの子が美味しかったと」 「ティラミスなぁ。 期間限定のジェラートも気になるし……両方頼んで分けるか?」
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