12月24日 お昼時

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マーシャのお願いに、それなりにそういう意味があることはハルにだってわかっていた。 他人の感情には鋭い男だ。 鈍感じゃない。 とは言え、トラブルの種を放置しておく訳にもいくまい。 マナー違反だが、彼としてはアルを連れていくほかなかった。 「…………まぁ、今に始まったことじゃないしな。 お前は一緒に行こうな」 《えぇッ!?》 返ってきたのはいかにも不服そうな反応だった。 アルは頼み込むような表情で彩夏の目をじっと見つめる。 この態度。 ハルは視ていて嬉しかった。 女の子と遊ぶともなれば、いつも喜んでついてくるのに。 邪魔しに。 相手が仲のよいマーシャだからというのもあるのだろうが、結局彼女はハル本位なのだ。 ハルにとってマイナスになるような奴なら、徹底的に噛みついていく。 「私が代わりに、ちゃんと言っておきますよ。 一緒に楽しんできてください」 《彩夏まで…………》 「決まったな。 そんな残念そうな顔するなよ。 いつも通り一緒なだけだろ」 《気分じゃないの。 今は……そう、燃えてるの》 「ああ、充分過ぎるほどわかったよ。 じゃ、姉さん」 「はい」 「おかわり」 ◇
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