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「大丈夫か?」
少年は刀を収め、近くにいた人間に話し掛けた。
「は、はい!」
「そうか。じゃあな」
「あ、あの!」
「何だ?」
少年は嫌そうに人間の言葉で振り返った。
「他の・・・人間って生きてるんですか?」
「どうだろうな。それを確かめたかったら生きろよ」
「そう・・・ですよね」
「俺はもう行くぜ。こんな所で足踏みしてる余裕なんて持ち合わせてないんだ」
「これから何処に行かれるんですか?」
「まずは・・・」
少年は海の向こうを指で示した。
「香港だ」
「香港・・・ですか」
「そんで・・・」
少年はまた別の方向を指した。
「日本だ」
「えっ?」
「じゃあな」
少年は再び歩きはじめた。
「俺も・・・強く生きなきゃ」
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