プロローグ

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─満月の夜─ 「ぐあっ……」 カタルシス王国。 『こっちの世界』で、世界を支える3っつの国とされているカシス王国は、言わずと大規模な国である。 国の構成は城を中央に置き、ビザを切り分けた時にできるようなラインで分けられ、それぞれ北から一番街から九番街とされている。 その五番街の住宅街の通路。 1人の男が突然、レンガ作りの固い道に倒れ込んだ。 「む……こやつ、血糖値高いんじゃないのか?やけに甘いな」 と、その男が倒れた後に闇から現れた、人間ドックの医者みたいな事をぼやく赤髪の男が1人。 赤髪の男は黒いマントを羽織り、暗闇である周囲と同化あり、よく見えないがその赤毛と宝石のような、僅かな光を反射する黄色い瞳が見えた。 「さて、現在180名……か。我輩の計画達成まであと170人……ここいらで勇者や魔王の血を吸えば100人分は余裕なのだが……まあいい。今夜は帰るとしよう」 暗闇から赤と黄色が消える。 そして今日も夜はふける。 謎を暗闇に隠したまま。
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