第十五章――解放、そして…

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       †  夜になった。  超水達三人は沛黄と別れ、貫州城の城壁にいた。 「新たな目標が生まれたな」  龍角がつぶやき、星蓮が彼に寄り添って頷いた。 「本当なら行ってほしくはありませんが……」  物寂しそうに言う星蓮の頭を、龍角は軽く撫でた。 「わがままばかりで悪いが、私は決意したのだ。この世界から慶という国を消してみせると。そして新しい国の誕生に立ち会いたい」 「……龍角様ならそう言うだろうと思っておりました」  超水は横で黙って見ている。  これから自分達は、束の間の休息に入る。そしてまた、次の戦場に立つことになるのだ。 「先生」 「なんだ?」 「俺が前に言ったこと、覚えていますか」 「……どれのことだ?」  まあそうか、と超水は苦笑した。 「先生はもっと大きな人物になりそうだっていう話をしましたよね」 「ああ、そんなことも言われたな」 「俺は今でもそう思っていますよ。ですから、次の戦いではさらに大きな功績を挙げましょう。先生は一軍の将よりさらに上に行けるはずです」  
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