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血で作られた川を見ていたら、自分がとんでもないことをしたような罪悪感に襲われる。
だが、これは煉州を慶から解放するための戦いだ。これは正義なのだ。自分に言い聞かせ、超水は本陣に戻ることにした。
……父上は褒めて下さるだろうか。
大戦果とまではいかないが、二十人以上の兵を討ち取ったのだ。さすがに怒られることはないだろう。
†
本陣に舞い戻った超水は、馬から降りたあとに眉を寄せた。
「なんだ、あれは……」
太守峡英の幕舎(ばくしゃ)の前に、大きな鍋と鉄板が用意されている。
戦勝祝いでも始めるのか。
自分の幕舎に立ち寄ってから槍を置き、兜を外す。汗で濡れた黒髪が、兜に引っ張られて逆立った。
それを手で直しつつ、超水は峡英の元に向かった。
すぐに家臣団が勢揃いし、鍋と鉄板を円で囲む。
超水は円からやや外れ、後ろから眺めることにする。初陣の分際で調子づいていると思われたくなかった。
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