第二章――龍角

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  「大変だ、山賊だ! また山賊が出たぞ!」  町の表通りを悲鳴が貫いた。  立て続けに激しく打ち鳴らされる半鐘。  宿屋やら商店やらの店主達があわあわと驚いている。  鐘からほとんど間を置くこともなく、馬蹄の響きが町に届いてくる。槍やら湾刀を手にした男達が殴り込んできた。 「金目の物は片っ端からかっさらえ! 邪魔する奴はぶっ殺しちまえ!」  獣の皮をまとった、頭領と思わしき男が怒声をあげた。  瞬く間に町の中央で惨劇が展開される。 「しつこい奴らめ」  そんな中、大通りの一角から三人の男女が戦いの様子を窺っていた。 「先生、さすがに今回は数が多すぎます」  一番左、細身で貧相な外見の青年が言う。  それに対して真ん中に立っている男は、 「だが、この町を守るには戦うしかないんだろうが」  冷静に返した。 「先生一人じゃどうしようもないですがね」 「町長が尻尾巻いて逃げるなんて、恥知らずもいいところだ」  言いながら、男は通りへと飛び出していった。  
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