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……良家の生まれだろうか。
超水が考えていると、ぱたぱたという慌ただしい足音がした。龍角が帰ってきたのだ。
「やぁ、超水殿。招待しておきながら席を立ってしまい申し訳ございません」
「いや、お気になさらず」
龍角は超水の正面に座り、星蓮から湯飲みを受け取る。龍角と星蓮が、並んで超水を見ている。居心地が悪い気がした。
一息ついて、龍角が口を開いた。
「呈州を訪れたことは?」
「今回が初めてです」
「そうでしたか。自然が美しいでしょう」
「ええ、見事なものです」
当たり障りのない会話がしばらく続き、超水も自然な受け答えをする。
龍角の声量は大きすぎず小さすぎずで聞きやすく、はっきりとしているのでわかりやすかった。
「それで超水殿は、どういった用件で呈州に?」
何気ない一言だったが、超水は一瞬身を強張らせた。どう答えればいいのかわからなかったのだ。
間を置くために湯飲みを手にして、時間をかけて一口だけすする。その間になんとか思いついた。
「なんと言いますか、勘当されまして。行く宛もなく船に乗ったらここに着いたのです」
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