第十五章――解放、そして…

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       † 「いやはや、お二人とも決断が早い。この沛黄、感心いたしました」  香京との謁見が終わり、超水達は貫州城の三階にいた。  外壁から張り出した広縁(ひろえん・のちにベランダと呼ばれるようになる)に、超水、龍角、沛黄、そして星蓮がいた。  眼下には広大な田園地帯と、遠景には雪をかぶった山々が見える。 「星蓮殿、安心していただきたい。龍角殿は実に立派でしたぞ。武臣達からの反応も上々でございますぞ」 「はい、それはようございました」 「して、沛黄殿、慶都への出征はいつ頃の予定なのでしょうか」  龍角が訊いた。 「寒いうちに動くのは得策ではありません。我々の知らない土地で、しかも寒さに凍えていては勝てる戦にも勝てませんので。よって、雪解けが進んでから、ということになりましょう」 「では、それまでは呈州に戻っていても?」  沛黄は首を横に振った。 「長い間というわけにはいきませんぞ。何せ、龍角殿は明日より軍の将になるわけですので」 「はあ……」 「そうですな、まずは十日以内に、呈州より必要な物を持ってくるべきでしょう」  龍角は残念そうな顔をした。  
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