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「太守がお嫌い?」
「どちらかといえば、そうなります」
「では私と同じですねぇ」
「と、申されますと」
「私も呈州太守の厳立(げんりつ)が嫌いでしてね。いや、嫌いなんて言葉では足りない」
龍角はあからさまに顔をしかめてみせた。そこには深い嫌悪が混じっている。
超水は今日一日で、龍角がよくできた人物だと確信を持っていた。その男が太守を嫌っているとは。
いずれ呈州軍に仕官するつもりだった超水としては、気になる言葉だ。
「嫌いと言うのは、いかがな理由で?」
龍角は赤くなった顔でこちらを向いた。早くも酒が回っているようだ。
「……私の父は呈州の役人だったんですがね、厳立に対し謀反を企てた罪で処刑されたんですよ、これが」
はは、と力無く笑い、龍角は盃をあおった。
「謀反、ですか」
「それはでたらめのお話。太守厳立は、直言をはばからない龍博(りゅうはく)様をうとましく思っていたらしいのです」
龍角に代わって星蓮が説明した。龍博というのが、龍角の父の名前だろう。

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