記念日研究同好会

12/25 クリスマス

「それでは、続けます」
「おう」

……気にしない。気にしない。

「そのあと、日本ではキリスト教が禁止されたので、次に現れるのは明治時代になってからです」
「なるほどなー」

だめだ。気になる。

「日本で一般的にクリスマスが受け入れ始めたのは、クリスマス商戦が始まってかららしく、さらに1926年12月25日に大正天皇が崩御し、年号が昭和になったときに、当時の法律で先帝崩御日を休日と定めたためにクリスマスの習慣が広がったみたいですね」
「ふーむ」

わかんなかったんだな。にも関わらずわざとらしく入ってきやがって。

「そして現在では、みなさんも知っているようにまだ11月なのにいたるところでクリスマスツリーが飾られたり、クリスマスセールが行われていますね」
「確かに！」

おい、めっちゃわざとらしくなったぞ。あーもう、なんでそんなのってくるんですか。

「……あの、部長？」
「なんだ？」

できるだけ言いにくそうに見える顔を作る。

「合いの手を入れてくれるのは嬉しいんですが、もう少し少なくしてもらえませんか？」
「……そ、そうか」
「え？　あ、はい。お願いします」
「わかった」

なんだ。やけにあっさりだな。……ますますおかしい。