26.弱い俺

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帆『百花は、自分の事より俺の事を考えてくれたんだ。』 空『……』 帆『…正直言うと俺…留学するかどうか迷ってたんだ。行きたかったけど行きたくなかったからさ。』 そう言い 親父はビールのおかわりを頼んだ。 空『迷うって?』 帆『百花のこともあるし…生活も今と真逆になるだろ?向こうで頼れるのは自分だけだし。今、考えれば不安要素ばかりだよ』 輝羅も… 悩んでるのか? そう考えると 心配になってきた。 帆『そんな時、百花は言ったんだ。「頑張って。あたし待ってるから…」って。』 空『……』 帆『その言葉を聞いた瞬間、自分に甘えてちゃダメなんだな…って気づいたんだ。』 自分に甘える… きっと今の俺は 自分に甘えてるんだろうな… 帆『何気ない言葉だけど…すごく心強い言葉だった。』 空『……』 帆『空宙、輝羅ちゃんと離れるのは不安だと思う。でも…信じてやれよ。そして応援してやれよ…好きな人の決めた進路を。』 信じる… 応援する… 空『……』 帆『輝羅ちゃんは、お前の“頑張れ”の一言で不安要素もなくなり頑張れるんだ。』 空『親父の言う通りだな…』 なんで俺は 素直に“頑張れ”って 輝羅に言えなかったんだろう… それは きっと弱さ…からだよな。 .
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