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帆『百花は、自分の事より俺の事を考えてくれたんだ。』
空『……』
帆『…正直言うと俺…留学するかどうか迷ってたんだ。行きたかったけど行きたくなかったからさ。』
そう言い
親父はビールのおかわりを頼んだ。
空『迷うって?』
帆『百花のこともあるし…生活も今と真逆になるだろ?向こうで頼れるのは自分だけだし。今、考えれば不安要素ばかりだよ』
輝羅も…
悩んでるのか?
そう考えると
心配になってきた。
帆『そんな時、百花は言ったんだ。「頑張って。あたし待ってるから…」って。』
空『……』
帆『その言葉を聞いた瞬間、自分に甘えてちゃダメなんだな…って気づいたんだ。』
自分に甘える…
きっと今の俺は
自分に甘えてるんだろうな…
帆『何気ない言葉だけど…すごく心強い言葉だった。』
空『……』
帆『空宙、輝羅ちゃんと離れるのは不安だと思う。でも…信じてやれよ。そして応援してやれよ…好きな人の決めた進路を。』
信じる…
応援する…
空『……』
帆『輝羅ちゃんは、お前の“頑張れ”の一言で不安要素もなくなり頑張れるんだ。』
空『親父の言う通りだな…』
なんで俺は
素直に“頑張れ”って
輝羅に言えなかったんだろう…
それは
きっと弱さ…からだよな。
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