第三章 『悪夢』

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私との結婚は嘘だったのだ。 プロポーズの言葉も。 式の準備も。 ウェディングドレスも。 すべて嘘。 式の準備、もうほとんど終わってたのに。 『二人の愛を祝ってもらうんだからって、お金かかっても盛大にやろう』って、言ってくれたのに……。 それも嘘。 ふと疑問がよぎる。 私の式の費用はどこに消えたのか? ……答えは楓の左手にあった。 光輝くダイヤの指輪。 『まとまったお金が入ったら買うつもりだった』という指輪。 あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 誠にとって私は遊びではなかった。 私は浮気相手ですらなかったのだ。 誠にとって私はただの『カモ』だった。
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