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本当に一緒に食べるだけで良かった
会話らしい会話なく。ただ、二人向かい合って食べるだけ。
そんな日が一週間も続いた
さすがの私も彼について知りたくなってきた
勇気を持って私は話題を振った
「あ…あの…な……」
彼の視線が私に向けられる
心臓が勢いよく弾み始めたのが感じる
落ち着け、落ち着け、深呼吸をしながら心の中で呟いた
「あの、なっ名前を教えてください」
「あぁ、名前ね。そう言えば教えてなかったんな。俺の名前は春日部翔(カスカベカケル)だよ。学年は二年。君は」
「私は、華美月沙季(ハナミズキサキ)です。一年生です」
この日、ようやく私たちは名前を教えてあった
そう私たちが出会ったのは一年目の春の終わりだった
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