オレ

2/3
前へ
/15ページ
次へ
ハァハァハァハァ… 古い倉庫にいた 「おりゃっ」 「ぐっ」 オレのパンチが思いっきり鼻にはいる 相手は、どうやら鼻の骨を折ってしまったらしく、顔面は、血だらけ ハァハァハァハァ… 「…ぺっ」 相手が血を吐く 周りには、横たわる不良が何人もいる 「てめぇ、…金龍の総長なめやがって…」 こいつは金龍という族のチームの頭、新田 隼人 オレより一つ年上の18歳 「ふっ」 オレは、すかさず隼人のパンチをよけ、腕を掴んだ 「ぐっ…」 隼人は血眼でオレを見る オレの隼人の腕を掴む手に力が入る 「…離せよ!」 黙ったまま見下したような目で相手を見た 「…誓え、…薬なんざ、二度と手出すんじゃねぇ!」 「…っせんだよ!」 「あ゛?」 パッと胸倉をつかみ、 ガシャーンッ 鉄パイプやらが散乱する場所に投げ飛ばした 「っ…」 起き上がる隙もあげさせずに、すかさずとびげり ガシャーンッッ 横たわる隼人 「って…」 出血がひどい 隼人の上に乗り、ふたたび胸倉を掴んで叫んだ 「てめぇ、二度と薬なんかすんじゃねぇ!」 「…ぐすっ」 相手は、泣きはじめた 「す、すぃま゛せ゛んっ…で、でした゛っ」 「あ゛?聞こえねぇ」 前髪を掴んで怒鳴った 「す、すぃません、っでしたっ!」 黙って相手の顔を見た パッと髪から手を離し、隼人の上からのいた 「てめぇら、まじ次薬したら許さねかんな」 そういってもう一度振り返ると、倉庫を出た フゥー 堤防に座り、タバコを吸った 満月が海にうつる 一人ため息をついた
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加