第一幕 匂い袋の香りと毒

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「…匂い袋を。替えていないのでしょう?」 話を逸す。 青年が問詰めないと分かっているから。 私は何度優しい貴方を傷付けてきたのだろうか。 「ああ…」 青年は頷き、首から下げている匂い袋を懐から出し、自分の首から外した。 こちらへと差し出された匂い袋を、そばにより受け取った。 せめて香だけ貴方のそばに。 そう思いあげた匂い袋。 自分が持っている匂い袋の香りよりも、甘い香りは押さえてある。 しかし、余り香などを焚かない者には同じ香りに感じるだろう。 他の女子への牽制。 貴方を拒んでいながら。 最低で愚かだと自分自身を軽蔑する。 .
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