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だけど感傷に浸ってはいられない
オレは女の子へと走り寄る
女の子はオレの行動が意味不明だったのか口を開けてポカンとしていた
「キミ、大丈夫!?」
女の子は我に返ると強く頷き返してくれた
後ろを見ると車輪に脚を巻き込まれた化物と怪人が、罵声を上げながらワタワタともがいていた
時間稼ぎもここまでみたいだ
立ち上がると服の裾を女の子に強く引っ張られた
その手は酷く震えていて、遠目ではわからなかったけど、よく見ると全身傷だらけで服もボロボロだ
「もう大丈夫だよ、後は何とかしてあげるから」
優しく笑いかけて手を握ると、後ろから声がした
「なぁにが大丈夫だぁ!?今すぐブッ殺してやっからなァ!」
「その娘を私に返すのだ‥‥ふひひひひぃ」
その言葉を聞き震えるその子を見ていると、久しぶりに腹の底から感情が沸き上がった
「……っさい」
「あァ!?」
「早くその子をヲ‥‥」
「うるっさいッッッ!!」
オレは怒りを込めて目つきで化物共を睨みつける
「女の子2人掛かりで追いかけ回して! 目の前で震えるこの子に罵声を浴びせる奴等が居たら、そりゃ誰だってプッツンするよな!?」
もー完全にあったまキた!!
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