【子】

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「アンタどんだけ生物学好きなんだよ!? 生物生物生物生物って!!飽きたわ!!長いわ!!」 「はーあ、今日の生物部の活動は【ブタの目の解剖】なんだよ?」 「うわ…」 「何その顔。超ロマンじゃん」 そのダメ教師は嬉々として言った後、ちらりと教室を見回した後、うんざりと息を吐く。 「だから俺はさ、」 一拍。 「こんな【警備委員会】なんてワケワカンナイ委員会の顧問してる暇はないんだけどさー」 学年主任とか生活指導とか生徒会顧問とか。 めんどくさい役職を、ふわりふわりと逃げ回ってたらいつの間にか警備委員会顧問とかになっちゃっててマジ神谷さん萎え萎えっすよ、生物室行きてーわー なんて言われても。 何その駄々っ子? 「シロ先輩、もうこの教師(ヒト)に何言っても駄目です」 「くっ……てかシロって呼ぶんじゃねぇよ犬塚先輩と呼べ」 後輩に宥められ、舌打ちをしつつそのヤンキー少年――犬塚士郎(イヌヅカシロウ)――は、乱暴に椅子に腰掛けた。 「ははっ、今の子はカルシウム足りないよねぇ。 カルシウムと言えば人間の骨っていうのはそれだけでは人間の骨には影響できなくて大事なのは―」 っだからいい加減にしろよ! 再び立ち上がろうとした士郎の怒りは 「ねえ」 後ろから冷ややかに響いたその声に、宇宙の彼方へ追いやられた。 立ち上がろうとしたマヌケな中腰姿勢のまま、そっとナナメ後ろを伺う。 「早く始めてくれない?」 そこには、 目を細めて、ぞくりとするように微笑んだ―― 「僕はいま機嫌がよくない」 警備委員会、委員長 が相も変わらずふてぶてしく座っていた。
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