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「着いてくるのは構わないけど、商店街だぞ?」
「いいのいいの!行くわよ!」
無性に嬉しそうなメグと一緒に、真は商店街へと向かっていく。
この後起きる、“唐突”など知る余地もなく。
「……ボッ、ボクは、臆病なんかじゃない……」
ほぼ同時刻。
そんな呟きが聞こえたのは、一つの部屋。
カーテンを締め切り暗くした部屋で、小太りの少年が何かをいじっている。
四角い何かと、細長い何か。
それを鞄に詰め込むと、少年は部屋を後にした。
「ボクは絶対に臆病なんかじゃない。……この能力(ちから)で、見せてやるよ……」
長く伸びた髪の間に、なにか差し込み口のような物が微かに見えた──。
「――これかわいい!」
「はいはい。買うよ、買えばいいんだろ」
少し経ち、今二人は商店街へと着いていた。
このご時世に廃れることもなく、むしろ活気の溢れる町。
更には新技術だか何かで、大きくPRが空に浮かんでいる。
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