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「あーっと、どこだここ?……って頭痛いんだが」
突然すぎる事態に、普通ならば戸惑うだろう。
しかし真は、何故か呆れたような目をしてから周りを見た。
「久々に唐突な事態が起きると、流石に驚くなぁ」
誰がどうみても驚いているような素振りをしていないが、真は部屋の構図を理解した。
殴られた頭を押さえてみると包帯が巻いてあり、処置が施されていることがわかる。
――さらっておいて、治療?
そんなことを思っていると、ただの簡素な部屋が、一気に明るくなった。
「あー、眩しい」
『あっりー?驚かないのー?』
「……誰?」
気付いてみたら、真が座っているベッドの前に、椅子が現れていた。
そこには逆光でよく見えないが、小柄な少年のような体格が見て取れる。
『あっ!頭大丈夫?ごめんねいきなり!』
「その言い方は馬鹿にしてるようにしか聞こえないんだけど……」
『ごっめーん!悪気はないんだ。はは~』
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