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どこか頭の中に直接入り込んでくるような声に真は疑問を持つ。
しかし聞いても答える筈がないので、あえて聞かない。
「……で、俺はさらわれた?」
『まぁ似たようなもんかなっ?ちょっと頭の中いじらせてもらったけどね!』
「頭の中?最近の誘拐はそんなことするのか?」
『目的は言えないんだけど、説明くらいはしてあげるっ。右手の裏を見て!』
「裏?」
促され、真は右手を裏返して見てみる。
すると、そこにはデータを保存するチップを入れるような差し込み口があった。
「……なんか出来てる」
『はは~、それそれ!んでこれっ!』
投げ渡されたのは、その差し込み口に入れるようなチップ。
表にはBOBとだけ書いてあり、真には全く意味がわからない。
少年の動きがそこに差し込めと促すので、仕方なく真はチップを差し込む。
カチッという嵌った音がすると、真の右手が熱くなった気がした。
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