第1芯‐シャー剣‐

6/38
前へ
/216ページ
次へ
「――まぁとりあえず、これあるってことは夢じゃないのか」 チップが入っていないことを除けば、真の夢は夢でないことがわかる。 シャーペンが剣になる。 全く意味のわからない事象だが、真は別に気にしない。 生きていく上で今後関係なさそうだからだ。 「……着替えよう」 チップが机の上に置いてあるのを見てから、ため息を吐いて寝間着から着替えることにした。 『続いてのニュースです。最近町内で、不審者が出現しています。白昼堂々襲われるということが増えているので、くれぐれも──』 着替えてから、真は下に降りてコーヒーを飲んでいる。 家族と一緒に、そんなニュースを見ていた。 「真も気をつけなさいよ?」 「大丈夫だって、ドラマの主人公じゃあるまいし」 そう言って、真は玄関に向かい出かけようとしている。 しかし母親に止められると、何か包みを渡された。 なんだか若干暖かい所を見ると、いつものあれかと理解した。 「はいはい。“メグ”の所に持ってくんだろ?」 「ご名答!よろしく!」 「……りょーかい」
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加