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跳ね起きた柚木の目尻には、涙が浮かんでいた。
「……ゆめ?」
まるで怖い夢でも見た子どものようだと考えながらも、柚木は先程の夢について考えてみる。
あの歌声には聞き覚えがあった。まるで楽器のように美しい音色、転生の際に聞いた声と同じ?
「…なんだってんだよ」
吐き捨てるように呟くと、柚木はベッドから立ち上がり一度大きく背筋を伸ばした。
「……なんだってんだ」
わからないことだらけの現状を嘆く独りの“少女”を、救えるものは誰もいない。
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