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洋館の中は、成金もビックリの豪華絢爛な仕様になっていた。
ザッと見て回ったが、着替えや家具、風呂やトイレ等の必要な物は全て揃っていた。
「コリャすげぇな……前まで住んでた所と比べると泣けてくるな……」
感嘆の声をあげる柚木。それもそうだろう。彼が前まで住んでいたのは、1LDKのボロいアパートだったからだ。この館と比べると雲泥の差がある。
「君のこれからの生活のサポートは僕に任せてくれ。足りない物があれば直ぐにでも用意するよ?」
得意気に胸をドンと叩くアーサー。しかし反対に、柚木の顔には疲労のそれが浮かんでいた。
「今度なんかあったら頼むわ。
とりあえず今日はもう寝かせてくれ。」
既にして外の景色は闇に覆われていた。周りが木に囲まれているせいか、不気味な雰囲気が漂っていた。
「おっと、もうこんな時間か。
それもそうだね。君も今日は色々あって疲れただろうから、ゆっくり休んでくれ。」
そういうと同時にアーサーは柚木の目の前から消え失せた。
柚木は外を覗き溜め息をこぼした後、ゆっくりと寝室へと向かった。
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