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「…行ってきます」
「ハイ♪行ってらっしゃーい」
玄関では、黒髪の美少女をスーツ姿のイケメンが見送っていた。
あの後、アーサーから生活に必要なもの渡された柚木は学校へと向かっていた。
新しい家から学校までの距離は、時間で言うと三十分程度の距離があった。
新しい通学路を歩きながら、柚木は改めてこれからのことを考えていた。
「さてと、話し方はお嬢様風でいいとしてもなー、ボロが出ないか心配だな」
「…………おはよう」
「ぅぼあ!?」
一人考えを呟いていた柚木に、長身の若白髪が声をかけた。
「………斬新な驚き方をするんだな」
「隆!……さん」
そこには、柚木の元幼なじみの花園隆がいた。
「お…おはようございます、隆さん」
ぎこちない挨拶をする柚木に、無言で首を縦に振る隆。
しばしの沈黙が訪れた後に、先に動いたのは隆だった。
スタスタと歩いていく隆の後をついていく柚木。
学校まではあと二十分といった地点だろう。
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