狼

狼──世界観──

この世界には、ギルドと呼ばれる国家機関がある。
ギルドとは、国や村、個人からの依頼を請け負い、それを遂行して金を得る何でも屋であり、また、犯罪者などを断罪する汚れ役を担う暗部。
そこには多様な人が所属し、商、工、そして武。それぞれがそれぞれの高みを目指している。

ある者は商売を生業とし、ある者は工芸に心血を注ぎ、ある者は己の力を高める。
己の技術を磨く。それが、ギルドに入るための条件であり、目的。

ギルドには、ギルドを統括する長であるマスター。そしてそれぞれの技術を極めた、通称『牙』。
そしてもう一人。

孤高の高みへと辿り着いた者。

『狼』がいる。

この物語は、狼と、その周りにいる者達の生き様。戦いと、人生の物語である。