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彼は、己の縄張りに入り込んだ者には容赦しない。 それが血の匂いを纏っているのならば、尚更。 そういった輩の末路は酷く、どれほど腕が立とうと、どれほど人数が多くても、残らず駆逐され、彼の餌食になる。 彼は獣。 血に飢え、肉を喰らい、吸収していく。 誰も彼には適わず、逃げることも出来はしない。 ただただ怯え、喰らわれるのを待つより他はない。 そして獣は、新たな獲物を求め、縄張りを巡る。 彼の空腹が満たされる事はない。 ─────
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