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『告白』
しばらくして
彼は、出張の為
関東へ行った。
その週末に
突然、携帯が鳴った。
彼からだ…
『サクラコ~元気かぁ?』
いつもの様に…
『今さぁ~
サッカーの試合のチケット貰って、一人観戦中…お前も今から来るか?来いよ!一人で見ても面白くない!』
『……。』
何を?
突然?
『行きたいけど…
日帰りじゃん!飛行機代勿体ないょ‐』
『…だぁ~よな』
彼女は
行きたかった。
飛行機だろぅが
何だろうが…
彼に会いたかった。一緒に居たかった。
彼と最後に会ったのは…
1年前だったから…余計に。
そぅ、だんだん彼女の中で
彼の存在が大きくなって、どうしようもないくらいに…
切なくなってきていた。
どうにもならない
未来のない
『恋愛』だから…。
その夜も
彼は…
普通に携帯してきて、今日の出来事を話す。
自然に…
それから
眠る時にメールが…
『昔ね、宴会の帰り道、佐藤さんとサクラコと一緒に帰ったことあって、タクシー降りたときに、佐藤さんがサクラコにキスしたことあったんだよね。あのとき、佐藤さんを殴ろうと思ったよ。
あのときは独身だったかな~いまでも、忘れられないことだよ』
そんな内容のメールだった。
昔は…
飲み会の度に
彼と彼女は、いつも一緒にタクシーに乗って帰っていた。タクシーの中では、決まって…
『サクラコ~彼氏できたか?選んでないで…ちゃんとみつけなきゃ!』
そんな会話ばかり
でも…
彼女にとっては1番楽しい時だった。
帰る方向が同じで…
その時も
彼と佐藤さんと…
一緒にタクシー
(あ…!
キスされた
でも…ホッペタに!)
彼女は
なんだか嬉しくなった。
そんな風に
思ってもらえていただけで…
嬉しくて
思わず
彼女は、
自分の胸の内を
伝えてしまった。
『ずっと…
前も好きだったケド、やっぱ…
今も大好きです。どうにもならないのは分かっている。只、気持ちは知ってほしくて…
気にしないで。
一方通行だから…
あたしの、一方通行。』
また
以前の様に…
アッサリふってほしかった。
『奥さんは裏切れないから…』
って…。クールに…。
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