悪夢との再会

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慧の様子に違和感を感じながらも、その足は生徒会室に向かい、目的地に着いた。 「うわっ… あっちーなー…」 「エアコン入れようぜ…」 生徒会室に入るなり、琥珀と要は暑さでやられたみたい… 約一ヶ月閉め切ったこの部屋は、空気と埃が籠もり、かなり蒸してる。 こんな状況でエアコンなんて入れたら、ますますひどくなる… 「待って! エアコンより先に、窓を開けて空気入れ換えなきゃ!」 リモコンに手を伸ばしてた要を言葉で制して、私はカーテンと窓をすべて開け放つ。 こもった空気は少しずつ夏らしい空気に変わっていく。 「んー… 良い風…」 風に吹かれて靡くカーテンを、括りながら私はつぶやいた。 「なんか、主婦全開だよな~」 琥珀が私を見ながら、小さくつぶやいた。 「ん? どうかした?」 窓を開け、全員分のアイスティーを用意しながら、私は琥珀に聞き返した。 「いや、入学した頃と大分変わって、なんか主婦みたいだなって…」 「あー、なんかわかる。 なんかつい甘えたくなるんだよな~」 「甘えるのは構わないけど、せめて自分の周りのことだけは出来るようにして。」 まるで母親みたいな口調で、要に説教をしていたら、生徒会室の扉が開いた。 「あぁ、みんな揃ってるね…」 扉を開けて入ってきたのは、海さんだ。 でも、いつもの明るさはなく、海さんまでどこか浮かない顔をしていた。
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