まさかの好きな人

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「お帰り~。夜深」 「た…ただいま」 「どうした?」 いつもなら 『お姉ちゃんでしょ』 と言うが、スルー。 しかも、顔色が悪い。 「何かあったん?」 「…別に」 夜深が顔を背けた事で何かあったかは明白。 「さては、彼氏と喧嘩か?」 確かデートしてた筈。 それしか考えられない。 「椎名君は関係ないわ」 違う?てっきり… 「本当に大丈夫よ。寝るから」 「あ…」 さっさと部屋の中に入ってしまった。 「ったく」 恭夜は頭を掻きながら自分も部屋に入った。 恭夜にも言える訳がない。 彼氏の妹に嫌われてると。 しかも、それがボーイズラブ絡みらしいという事。 「椎名君に相応しくないのは私でも判ってるわ」 でも、ボーイズラブがまだ好きじゃなく、女だからっていう意味が判らない?! 次の日 「夜深。行こう」 椎名君とは別に何もないが、昨日の事で顔を合わせづらかった。 「あ、そうそう。また今度一緒に遊びましょうって香椎が」 ドキッ! 「…え?」 「香椎ったら、夜深の事を凄く気に入ったみたいで、嬉しそうに笑ってたぞ」 う…嘘。 「夜深と香椎が仲良くなるのはとても嬉しいよ」 どうやら、椎名君の前では私を気に入っているフリをしているらしい。 「はは…」 香椎ちゃんは二重人格?
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