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(知っています……。気にしないなんて無理ですよ。傷つけたのは私なんですから…。)
一人の女性が海辺で風に当たっている。
(何故、私が操られたんでしょう?やっぱり、隙が有ったからですね…。)
「すみません…。すみません。皆…。」
女性は縮こまって謝り続け、落ち着いてきた頃に海を決意の籠った目で見つめた。
(皆を鍛えよう…。私がまた操られたら止められるように…。どうしてもの時は…私を殺せるように。)
女性は仲間内では一番強い力の持ち主。
だからこそ、女性は思う。
(私が止まらないなら……殺して欲しい。皆を殺してしまうかもしれないから。)
女性は思う。皆を守りたい。
それさえも空虚の夢となって消えぬよう、女性は固く誓った。
そして、皆の元に戻った女性は全員の前で公言した。
「皆を私が鍛えます。そして、もし私がもう一度操られる事があって止めることが難しいなら……私を殺して下さい。」
凛とした女性。
碧色の髪は潮風に吹かれて揺れ、黒の逆さ十字架のピアスが怪しく光った。
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