悪夢の始まり

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もう何ヶ月ここにいるんだろう 白い壁白いカーテン白い天井 もう嫌だ!頭がおかしくなりそうな臭いが漂う どうして僕だけが毎日毎日苦しまなければいけないんだ 原因不明の病気って何だよっ! 毎日頭が死にそうな程痛い……胃がズキズキ痛い…手足もちぎれそう だけどね 紅い血を見ると少しだけ痛みを忘れられる だから僕の肘から手首は傷だらけ でも、死ぬのは怖いんだ だから躊躇い傷は紅い血を流しすぐに固まってどす黒い色に変わる 違う……自分で死ぬ勇気がないんだ 情けない僕……そしてまたいつもの痛みにのたうちまわる 両手はいつも包帯で巻かれ、いつしかこの部屋には自分を傷つけるものすら何もなくなった そう、鏡もグラスも全てなくなった 「もう嫌だっ!この痛みを今すぐ消してくれるなら悪魔にでも魂を売り渡してもいい」 のたうちまわりながらそんな事を叫ぶ自分が滑稽だった だってそうだろ? 痛みが消えるイコール死ぬって事なんだから でもそれでも構わないと思ったんだ そう……ゆっくり眠りたい……今の望みはただそれだけだったんだ
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