アヒルの子、白鳥の子

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玄関を開けると、当たり前のように立っていた。 「あっ、アヒルくん、おはよう」 笑顔が眩しい。 「忘れ物してない?今日課題の提出日だけど大丈夫?」 髪が太陽に反射してキレイに輝いて見える。 外人顔だし、どう考えても四六時中モテそうな外見してるし、それなりに背高い。 モデル体型っていうのか? いや多分違うか 「大丈夫だよ。強いて言うなら朝飯抜きが痛いなー…まぁ弁当貰ったけど。」 「妹さんのご飯美味しいもんね。見習いたいくらい美味しいもんね。」 眩しい笑顔炸裂。 影で生きたい俺には眩しすぎる。 「今回は姉貴っぽい。朝ハムエッグだったし。」 「お姉さんはハムエッグ担当なの?」 「そういう訳じゃないんだけど…いいや、ハムエッグ担当ということで」 「あはは、了解。」 俺のてきとーな返事にすげぇ楽しそうに聞いてくる。俺も悪い気がしなくて普通に答える。 すっげー他愛のない会話を繰り広げながら、俺たちは登校する。 幼なじみのこいつとは、かれこれ10数年連れ添っている。 普通に楽しい登校時間なんだが、何個かすっげぇ気になることがある。 こいつの手がさっきから、物凄くケツに当たってるんだってこと。 掠めるとかの表現じゃなく、撫でていく。しかもやたらエロく。 やめてくれ。切実に。 あと鞄のストラップとか携帯のストラップが俺にすごーく似てる。待ち受け画面が俺。 すごーく痛々しい。俺の心も痛い。 『白鳥、メールじゃね?白鳥、メールじゃね?白鳥、メールじゃ』 「あっ、メルマガかぁ…。アヒルからなら良かったのになぁ」 ってじっと見つめてくる。 待てゴルァアアア!何でお前の携帯俺づくしなんだよ!何でいつ録音した!死に晒せ! つか俺隣だし!わざわざ隣にメールするほど暇に見えんの!? 俺が心の中でウワァァァとかやってると白鳥は携帯をポケットにしまった。 そしてなんか申し訳なさそうにこっちを見て苦笑い。 「電車乗り遅れそうだけど…」 _
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