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―あなたは奇跡を信じますか?―
今、私の隣には1人の男の子がいる。私の彼氏、神崎 潤。彼との出会いは本当に奇跡的だった。
―2007年 花火大会―
「はぁー、遅いなあ。」私は退屈気味に呟いた。今日は花火大会。友達と見た後ショッピングする約束だった。予定時間から30分も待っている。友達はまだこない。「もう少し待ってるかなぁ。」そう思ったときだった。突然、音楽が鳴り響いた。私の携帯の着メロである。あわててでてみると、声は待っていたその友達だった。「ゴメン、こんちゃん。急に用事できちゃって今日いけないんだわ。本当にゴメン。」 「そっか、用事があるんなら仕方ないね。残念だけど…。」 そう言って通話を終えた。今日は1人でショッピング。なんかあんまり気が進まない。でも、こうやって黙ってるほうがイ。ゆっくりと歩き出す。ふと空を見上げて「うわぁ~、きれいな星空。」 そう今日は満点の星空だった。 どんっ。その時、誰かに当たってしまった。「あっ、すいません。お怪我はありませんか?」 「大丈夫です。私こそごめんなさい。よそ見してて。」 「僕も、よそ見してたからお互い様。」 その人は私と同じくらいの年の男の子だった。すこしどきどきした。こをな至近距離で見つめられたのは初めてだからだ。 「君も星を見ていたの?」 「ええ、そうです。星が好きなんです。」 「僕も好きなんだ。ああ、僕の名前は神崎 潤。よろしく。」 「私は北原ななみ。よろしく。」 さっきはよく見てなかったけどけっこうかっこいいかも。 「これから時間空いてる?実はさぁ、友達と買い物行こうって言ってたんだけど、風邪で無理ってすっぽかされたんだ。」 少し私は警戒した。いくら同年代の男の子とはいえ私も女。何されるかわからないし。 「すいません。友達と約束があって…。」 「そっか。じゃあね。ななみさん。」 えっ。今、名前で呼んだ?嘘でしょ。初対面の人に名前で呼ばれるなんてチョー恥ずかしいんですけど。 「あっ、ちょっと待って。」 「えっ。」 「これ私の連絡先。後で連絡して。」 「ありがとう。」 「じゃあね。」 ―そう、これが彼との初めての出会いだった。
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