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―その夜―
「メールだ。誰だろう?こんなアドレス知らないな。」表示を見てびっくりした。「ななみちゃん、潤です。」という件名だったからだ。開いてみる。「ななみちゃんへ。連絡してって言われたんで連絡しました。 突然なんですが、友達になりません? 返事待ってま~す。」まさか本当に連絡してくるとは思わなかった。「メールありがとう。 友達になってもいいですよ。 潤さんの年は?」 すぐに返信があった。 「僕ですか。13歳です。中1です。」 やっぱり。私とおんなじ学年。「学校はどこなの?」 「榮凛中です。ちょっと評判は悪いけど…」 これには驚いた。私とおんなじ学校だった。神崎って子いたっけ。ああ、そういや2学期の初めに2組に転向してきたあの子。えぇ、知らなかったな。あんなにかっこよかったんだ。「私と同じ学校だね。よろしく。」返信を出す。驚くかな。「そうだったんだ。これからもヨロシク。」こんな返信が来た。この日はこれが最後のメールだった。別に話すことないし。それに…あんまり男の子と話すのニガテなんだよね…。
クラスの男子だったらまだいいけど…。そんな思いが頭をかすめた。まさかこれが思いもよらないことにつながるなんて…このときは知るよしもなかった。
数日後の土曜日。午前8時過ぎ。潤さんからメールがあった。「今日あいてる?この間のお礼したいし…。もし良かったら駅前の喫茶店で10時に会えないかな?」
確かに今日は用事がない。宿題もなかったし行ってみることにした。部屋に戻って、クローゼットを開けた。「今日は何を来て行こうかな?」 少し大人っぽく黒いワンピースにしようかな。潤さんに返信を送ってっと…。予定時間まではまだ時間がある。少し早いけど家を出るかな。というか、なんで私こんなにうれしいんだろ。また潤さんに会えるからかな?
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