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「誰か~?お客様の中に医者はいませんか~??」
飛行機の船内に、スチュワーデスのエリザヘータの声が響く。
“誰か急患が出たみたいある。”
乗客の一人 ワン・ヤオがいち早く気付いたが、彼女を横目に 夕食を食べ続けていた。
ヤオが知らん顔したのは、彼の手に負えないからでは無い。
むしろ、彼は 別名『チャイナ・ジャック』と呼ばれ
医界で その名を知らぬ者は、たちまち相当のモグリ扱いを受けてしまう程の天才名医である。
まぁ、彼自身も実はモグリの医者なのだが‥‥‥‥
何故そんなに腕がたつのにモグリなのかというと、無免許だからです。
天才名医が無免許になった理由は、彼 ワン・ヤオの性格のせいで医師免許を剥奪されてしまったからです。
“我は、何よりも大事な夕食中あるから無理あるな。しかも金にならなそうあるし、後すっげぇ面倒ある。”
これは剥奪されても仕方なかろう。
逆に なぜ医者になったし。
―――――――――――――――――――
「あっ!そのおさげにパンダは もしかして‥‥‥‥‥‥かの有名なチャイナ・ジャック先生!?」
「…そうあるけど。」
“げっ 気づかれたある‥‥”
と言わんばかりの顔をしたヤオに、エリザは なぜか細々とした小さな声にし始めた。
「お願いします。大きな声では言えないのですが、急病人は‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥機長なんです。」
「!?」
これは一大事だ!!
乗客の運航中に 機長が急患になること自体 大問題なのに、これで更に 事故でも起ころうものなら、
この航空会社は終わりだ。
「二千万ある。」
「え?」
「二千万で治すあるよ。乗客の安全や 航空会社の威厳を考えれば、安過ぎるくらいあるよ!」
「でも‥‥‥‥」
いくらなんでも高過ぎだ。
だが、しょうがないのでエリザヘータは本社に事情を説明し、やっとのことで了承を得た。
―――――――――――――――――――
「では、チャイナ・ジャックさん こちらへ…」
エリザヘータが急病人の元にヤオを誘導しようとした時、客席から突然 金髪の客――
―――フランシス・ボヌフォワが立ち上がって二人に突っかかってきた。
「チャイナ・ジャック!?
そいつって無免許の守銭奴なヤブ医者だろ?そんなのに急患を任せていいのか??」
彼の言うこともごもっともである。
こんなこと、馴れきっているヤオは無視して さっさとコックピットに行こうとしていた。
していたのだが‥‥
背を向けたフランシスの席から
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