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「それに、さっきお前に教えたことは
『前の俺』が体験したことで
またこれも 『今の俺』が『前の俺』の記憶を頼りに、お前に教えてたんだ。」
フェリシアーノは訳が解らな過ぎて
とうとう 神ロの説明を聞くのが面倒くさくなってきてしまった。
―――――――――――――――――――
一風変わって、何処かの研究室。
「ギルベルト博士、
教えてください。何故 貴方の親戚の子
‥‥‥神ロ君を こんな人体実験に‥‥‥‥」
黒髪 黒目の純日本風な美青年が、ギルベルト博士と呼ばれている男に尋ねる。
「菊ちゃん(激怒)!!!
そんな言い方なさすぎるぜ(怒)!
‥‥‥‥俺は‥‥‥‥ただ
‥‥ただ、まだ幼いのに死んじまった神ロに
本当の命を与えたいだけなんだっ!
かつて この世を震撼させたロー帝。
奴のまつ毛の化石から
今 造り上げようとしてる『フェリシアーノ(仮)』!」
そう言いながら博士が指さした培養液には
小さな子供が、ピーナッツバター色の髪を揺らしていた。
「まつ毛の化石から 完全な身体に複製(幼児体型だけど)出来たんだぜ!!
あの神秘の生命力の秘密を知ることが出来れば‥‥‥‥!!」
そう言うと、さっきの培養液のとなりの培養液に入っている 脳を見詰める博士。
「‥‥‥‥神ロぉ
お前の生命維持はしといてやってるからなぁ‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥早く 俺の元に還って来てくれ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥神ロ?」
しかし、菊ちゃん と呼ばれる青年の道徳心はズタボロだった。
それでも真面目に作業(神ロ達の状態を監視)に戻った。
でも矢張、モニターを見詰める漆黒の瞳の奥は 罪悪感で埋め尽くされている。
そんな彼の瞳孔がカッ開きになった!
「ギルベルト博士!大変です!!
神ロ君の生命反応が‥‥‥‥」
「どうしたっ!?」
駆けつけた博士は モニターの中に表されてる現状に
絶望した。
「生命反応が消えてく‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥神ロが‥‥‥‥消えて‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥博士。」
「菊ちゃん‥‥‥‥
失敗だ。」
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