いつもの日常

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彼女の名前は射命丸 文(しゃめいまる あや)。 はたてと同じく新聞記者であり、文々。新聞を書いている。 肩まで伸びた黒髪に白のブラウスと黒のスカートといった普通の天狗の格好をしている。 文の新聞は人気があり、人間にも購読している人がいるらしい。 天狗が発行する新聞の多くは天狗に読まれていて、人間の里に売り込まない限り人間に購読される事はない。 「念写なんか使っているとまた引き篭りになるわよ?」 「わかってるわよ!!ってか何勝手に家に入ってきてるの!?」 「まぁいいじゃない、その…私とはたての仲でしょ?///」 「頬染めてそんな事言われたら勘違いされるからやめてよね」 「もう…冗談よ」 あんたが言うと冗談に聞こえないわよと思いつつはたては手帳を手にして立ち上がった。 「私は取材に行ってくるわ」 「あら、もう行くの?」 「そうよ。今日は文よりも良いネタを集めてみせるわ!!」 文には絶対に負けたくない。 私は天狗や妖怪や人間にも見出しだけじゃなく記事もちゃんと読んでもらえるような新聞を作ってみせる。 はたては下駄を履き終えると玄関の戸を開けた。 「行ってらっしゃーい」 「いやあんたも出て行きなさいよ…」
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