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そんなこんなで学校に着いた。
大抵図書室には誰もいないから、職員室に鍵を取りにいかなければならない。
図書室と職員室は校舎が違うから面倒だ。
距離も結構あるし、なにより階段がつらい。
暑さに溶けそうになりながら歩いていると、世間一般では幼なじみと言える関係の女の子に出会った。
幼なじみはもっとツンデレでちょっと暴力的なはずなんだが。
俺の幼なじみはなんていうか。
物静かで背が小さくて色白で、そう、儚げなのだ。
とてもツンデレは似合わない。
むしろ暴力なんて無縁のようなおとなしい子だ。
「あ、啓くん。今日も図書室?」
「まあな。早川は部活か?」
早川は美術部だと最近知った。
この時期は文化祭の準備とか大変そうだしな。
「ううん。文化祭の準備は来週から。今日は美化委員の当番があって。」
び、美化委員っ…。
早川の性格上、きっと委員会決めるとき余った美化委員をやることになったんだろう。
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