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…は?…えっ!? えええっ!?
神部 敦は、布団の中で固まっていた。あまりにも異様な光景に、どうしていいかわからない。
今すぐに起きろ、と言わんばかりに鳴り響く目覚ましの音で目覚めるいつもと変わらない朝。
…だが、いつもと違うものがそこにいた。敦の横には、美女が添い寝をしていたのである。
もともと一人で生活していたところに、一気に五人の妹が来たのでそれぞれの部屋があるわけなく、いつもリビングで雑魚寝ではある。が、布団はそれぞれに用意されているので添い寝の状態になることはない。
布団の中は彼女の体温でヌクヌクで、甘い体臭が悩ましく香っている。
「んっ…むにゃ…」
いい夢でも見ているのか、美女は寝ぼけた声を上げ微笑んでいた。教壇に立つときはきりっとしている表情も、今は無防備に笑み崩れている。その様子が妙にあどけない。
…なんで雪希が俺の布団にいるんだよ!
おろおろしている男性教諭のすぐ横で、美女はごろんと寝返りを打った。布団がめくれ、全身が露わになった。
スーツを着ているが、ブラウスの胸をはだけてブラシャーのフロントホックを外しているせいで、乳房のふくらみが丸見えだ。
両脇に寄ったブラのカップは、Eはありそうな巨乳を隠しておらず、キャミの薄い布越しに、ピンクの乳輪や乳頭までが透けて見える。
小柄だが、めりはりのあるプロポーションだ。長い黒髪が一層、妙な情感を感じさせる。
「うっさいわねぇ…もうっ」
「あっ、目覚ましを止めるのを忘れてた」
敦は目覚まし時計に手を伸ばした。
そのとき、同じようにして手を伸ばした雪希の手の甲に、敦の手のひらが重なった。
「んっ? あ、あれっ、敦?」
「ゆ、雪希っ!?」
敦は、ばつが悪そうに急いで手を引いた。
その時、ふよんとしたものに肘が触れた。低反発枕より柔らかくて温かい、ぽよぽよと弾力のある感触が肘に伝わる。
「やんっ、敦、おっぱいなんか、触っちゃダメっ!!」
低反発枕の持ち主は、メッとばかりの口調で敦を諫める。
しかし、その声は、敦以外にもちゃんと聞こえてたようで…
「ちょっ…いくら教師同士やからって、みんなの前では、もーちょい自重しーや!!」
「やっぱり…わたしだけに…Hなことしてたわけじゃないんだ…」
都や安奈まで敦を責め立てる。
「違う、違う、そ、その…ぼ、僕はっ…ご、誤解だっ」
敦は、全身全霊で「無罪です。何もしてません」を主張した。
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