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異議のある者、と自動人形は問う。
「ふむ、特になし……ですか」
と、手を上げる生徒が視界に入った。
痩身の少年だ。目は据わっているが、どことなく鋭く感じる。
「どうかなさいましたか?アマダ・カスト様」
自動人形が彼の名を告げると、手を下ろし、
「あぁ、バカがいないんだが」
自動人形は早速、バカと呼ばれる生徒を検索し、割り出していく。
「Judge.検索完了しました。ズバリ凶様ですね?大丈夫です、放っておきましょう」
「さ、最悪なことを言うな、この御仁!!」
黒の制服を、忍者装束風に改造している少年が盛大にツッコンだ。
自動人形が何を当たり前な、というような顔をし、
「大きな声を出さないで下さい、龍蔵様。犬みたいです。あと、意見があるなら挙手を」
「ぬ、ぬおぉぉ、某バカにされたような気がするのだが……!?」
されたんだよ、と皆思うが、声には出さない。可哀想だから。
だがそこに、でも、という言葉が少女から発せられた。
「あの人が居なくても、授業とか大丈夫なの?」
黒髪の少女、ルミナ・ダエルが自動人形に問う。
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