序章『いつも通りの喧騒』

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 自動人形は機械の体で出来ている。故に、反応速度等は常人のそれを軽く上回っている。 ……それでも、ステルス機能を施した矢を斬り落とすのは異常ですよねぇ……  ふぅ、と息を吐き、黒髪をたなびかせ丁度エヴァンジェリンが見える場所に立つ。 「神道術を使用します!──許可を」  支倉は“武蔵”の紋章が描かれた弓をもう一度構えた。  同時に、顔横に空間液晶<スクリーン>が現れ、文字が綴られていく。 『神社:接続完了』 『神道術使用許可申請:受諾』 『使用術式:選択』 「使用術式は、認識阻害と貫通、そして高速化──いける?」 『可能』  空間液晶からの二文字の返答が見えた所で、視線の先、自動人形に対して弓を構え直す。  構え、左目に映る小型空間液晶と照準が合い、 「──中てます!!」  一瞬の煌めきが、弓から放たれた。
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