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翔がそこを通り過ぎようとすると、腰の辺りまである長い黒髪──と言っても、先の方を白いリボンで結んでいるが──を揺らしながら、一人の少女が降りて来た。
「あ、はよー椎名」
降りて来た少女の名は水面杜 椎名(みなもと しいな)。先程の水面杜神社の一人娘である。ちなみに二人は、いわゆる幼なじみという関係でもある。
「…………こんにちは、翔」
「…………」
「…………」
「やっぱり椎名もそう言う?」
「…………私もってことは他の誰かにも言われたの?」
「裕貴にも同じようなこと言われた……。でも椎名に言われた方がグサッとくるぞ……」
「…………じゃあ次から気を付けなさい」
「はい……」
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