第一章 揺らめきと予兆

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「そうか。残念だなあいつ。じゃあ揃ったんだし行こうぜ」 「そうだな。んじゃ取り敢えず飯行こうぜ飯。待ってたらオレもう腹減っちゃってさぁー」  そうして四人は歩きだした。      *** 「もうこんな時間…か…」  四人で過ごす時は経つのが早いらしく、呟いた翔の頭上には夕焼け空が広がっていた。 「あーつっかれたー」 「でも楽しかったですよね? 裕貴君?」 「まぁなー。しかしさすがに四時間くらいぶっ続けはしんどいぞ」 「そんなに疲れてるのはお前だけだ。女の椎名と遥でさえまだ大丈夫そうなのにな」 「…………そう。…………裕貴ははしゃぎ過ぎ」 「ぐうっ……、それを言われちゃあ立つ瀬がないぜ……」 「もっと凹め」 「翔……お前何気に酷いな……」  四人の周りに笑い声が響く。
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